ホロフォニクスに驚いた!(長文注意)

前から気になってたというか不思議に思ってたことがあります。
でもホントになんとなくレベルでそれ以上調べたり掘り下げたりしなかったんですが、
「アレってひょっとしてコレかなぁ・・・。」
って思い出す機会が最近偶然ありました。


オイラの大好きなアーティストのひとつ、G.Love & Special Sauce
彼らのNight Of The Living Deadって曲があるんですけど、
イントロの部分で犬の鳴き声が曲のバックで聴こえるんです。


ある日、iPodをイヤフォンで聴きながら外を歩いてたんですよ。
そしたらたまたま「Night Of The Living Dead」が流れ始めて、
当然のようにイントロの犬の鳴き声も聴こえるじゃないですか。
で、その犬の鳴き声が妙にリアルというか臨場感があるというか、
本当に後ろから犬に吠えられたと思って振り向いたんです。
密閉型のインナーイヤフォンなんで外の音がそんなに大きく聞こえるはずないのに、
あまりにもリアルで反射的に振り向いてしまったんですよね・・・。


「これは何なんだ!」と思いながらも、
結局「いまの音響はスゴイなぁ」程度にしか思っていなかったんですが、
最近ホロフォニクスという技術の存在を知りまして、
その技術の解説を読んで自分なりに理解するにつれ、
「ひょっとしてこれに近い技術が使われているのかなぁ」と感じました。


簡潔に説明するのはちょっと難しいんですが、
とりあえず細かな解説がコチラ↓のサイトに載ってます。

Psychic TV Research Laboratory - in the wake ov Psychic TV
「Holophonics ホロフォニクス特集」
http://www.23net.tv/xfsection+article.articleid+69+page+0.htm

興味のある方はぜひ一度読んでみてください。
かなり長いですけど・・・。
でもサンプル音源とかも聴けてかなり面白いですよ。


とりあえずサンプル音源のリンクも貼っておきます。
立体音響のスゴさを実感するにはイヤフォンやヘッドフォンで聴くことをおすすめしますが、
スピーカーで聴いてもかなり実感できます。
でも騙されたと思ってヘッドフォンでぜひ一度聴いてみて下さい
マッチを擦る音&マッチ箱をカサカサ振る音
http://www.unoriginal.co.uk/Audio/Holophonic.mp3
散髪&ドライヤーされてる音
http://www.musicwatchavision.com/holophonicssounds/Holophonics_04_haircuthairdryer.mov


オイラのような素人考えでは、
耳はただ単に「音を聞く」だけの機能しかないと思ってたんですが、
その「聞く」とか「聞こえる」っていうメカニズムの前提として
「耳が音を出している」という点にかなりビックリしました。
その音を専門用語ではどうやら「参照音」というらしいんですが、
その参照音と実際に外から聞こえてくる音が干渉して始めて、
脳がその音の方向とかボリュームを認識しているのだそうです。


耳の穴に音が入ってくるからまわりの状況が知覚・認識できるわけじゃなくて、
耳から常にレーダーみたいなものを無意識のうちに出していて、
それが反応することによって
外界の音の発信源の微妙な位置までも脳が認識することができるというわけ。


普通後ろの方から声がしたら、その音の発信源は自分の後ろにいると自然に認識しますよね。
そういうふうに脳が認識するような音の情報そのものを録音する技術がホロフォニクスであり、
ホロフォニクス技術のもとに録音された音情報を適切な環境で耳にすれば、
実際に録音された周囲の状況を脳が解読し、臨場感あるものとして再現・認識するということ。


この技術は聴覚障害を解明・克服するためにも役立つ可能性があったり、
はたまた軍事技術に利用される可能性があったり、
エンターテイメント分野で画期的な応用ができたりと
各方面から物凄い期待のかかっている技術なんですが、
この技術が世の中に出てから30年あまり経過した現在でも
開発者であるアルゼンチンの神経生理学者ヒューゴ・ズッカレリ
原理および方法を一切公開していません


開発当初の彼の言葉がとても印象的です。

この秘密を今打ち明ければ、
誰もが手を叩いて、その単純でシンプルな発想に驚くはずだ。
例えば、何でそんな簡単な原理に気がつかなかったのかとか、
何でそんな発想がホロフォニクスと結びついたのかと、本当に驚くと思う。
すべては人間という全く不思議な生命活動の解読が、
ホロフォニクスの謎と言えるものなんだ。
しかしこの謎の持つ意味内容は、今の時代にとって
極めて唐突なテクノロジーとして受け取られ、
単に音の知覚を更新した技術に止まらず、
様々なテクノロジーを改変してしまう可能性に発展していくのだ。
それが一挙に進めば、あらゆるシステムが急速な変化の渦に巻き込まれてしまい、
それがもたらす変化の構造は
あらゆる側面においてマイナスの要素となってしまうのだ。


この素晴らしい技術が広く一般的に実用化されるようなことがあるのでしょうか?
原理・方法を公開するにはまだまだ時代が追いついていないとの彼の判断でしょうか?
もしかしたらすでに極秘のうちに何かしらの技術に応用されているのかもしれませんけど。
とにかく研究は継続的に行われているようなので、今後の展開に注目したいです。